「私はここにいます」「あなたがそこにいてよかった」
と日本語訳されたこの、何の変哲もない言葉がなぜか私な好きだ。
由来は、カート・ヴォネガットの小説「タイタンの妖女」(The Sirens of Titan :1959)らしいのだが、実際にこの言葉が静かに広がったのは、いまや伝説となった衛星ラジオ局St.GIGAのブランドコピーだったから。と私は信じている。コンセプトワークは故・横井宏氏。そのプログラミングコンセプト(今も個人の手によってテキスト化され公開されている)は、あまりにもロマンティックかつ、ラジカルなものだったと思う。こういう試みに投資する金持ちがいると、日本もずいぶん変わるだろうに。企画書は講談社から『夢の潮流』という本にもなったが、こちらも絶版となり、今も復刻を望む声があることを垣間見ることができる。この言葉を私が好きなのも、友人から借りた『夢の潮流』を読んで、著者の「新しい音の放送」に賭けたロマンに感じ入ったからかもしれない。
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